初めてこの庭を訪れた時に印象的だったのは、ウッドデッキ、里山、田んぼ、そして草花。
これらの見所を押さえながら、それぞれを繋ぎ、景色を作る。
庭には多くの果樹が植えられている。木の実を収穫し、花に囲まれたテラスで取り立てを味わう贅沢。
ご家族やお友達との団らんの中、そんな楽しみを味わっていただけたら嬉しい。
庭の見どころを繋ぐのは道、そして木。
道があることで庭に広がりが生まれ、これから展開する庭への期待を高めてくれる。
道はデッキへ向かう主線と庭の裏手を回る副線の二つ。二つの道が合流する分岐点はテラスとなる。
「庭でお茶を楽しみたい」そんな夢を実現した石畳のテラス。生垣の向こうには田んぼ、その後ろには里山が広がる。
作庭者がどんなに頑張ってもつくれないこの景色を活かし、風景を繋いだ庭。
三和土の意匠は、レンガと小石で遊び心を出した。
家々の目隠しとして植えた里山にも生えるヤマモミジたちが、庭と山を繋いでくれる。
ご家族が育てた実生のヤマモミジにも、ここで一役買っていただくことができる。
初夏、青々とした下草が水鉢を彩る
そして、庭にまた春が巡る。
草木が生き生きと葉を伸ばす。生命力に満ち溢れた庭の風景
ご家族が庭に植えたイチゴが、足元で鮮やかな桃色の花を咲かせていた
木陰になった山石の伝いを地苔が覆い、境を無くしてゆく。
既存のサクランボとブルーベリーに加え、テラスの近くには新たにジューンベリーを植えている。
初夏は楽しく贅沢な、収穫の時。
テラスに置かれた椅子に腰かけながら、ブルーベリーやジューンベリーを収穫して食べる、庭の楽しみ。
自然の林の中に佇んでいる、そんな気持ちにさせてくれるある日の風景