アプローチ全景。空間へ向かい木々が枝を伸ばし出す
ご家族の故郷、白神山地のふもとの町と庭とを繋ぐ景色
新緑の庭の木陰に、爽やかな春の風が通ってゆく
レンガのテラスの目地にも苔が入り込む
家と庭、庭から里、そして山へと景色が繋がる
幽玄な白神山地の雰囲気を出したいと、ひび割れた岩肌を思わせる山石で階段を畳んだ。そんな人の手の跡を、苔は包み込んでゆく
沢沿いに、ゆったりと山道を登って行く。
セキショウ、ワサビ、ショウブが護岸を守り、春、木々の足元からはキクザキイチゲが芽を出し、ショウジョバカマが花芽を上げる
ミズやフキ、アイコなどの山菜も、この庭を彩る主役。四季折々の野草を愛で、収穫する庭
景色でもあり、土留めでもある石。人の手を感じさせるもののすべてを苔は隠してゆく
ミズ(ウワバミソウ)が水面に葉茎を伸ばして繁り、流れに陰影と奥深さを作ってくれている。 硬い石の庭の雰囲気を和らげる下草の存在は大きい
作庭から6年。時の力が庭を育ててゆく
石張りの目地に苔が入り込み、石積みを苔が覆い隠す。庭は、自然のなりゆきに合わせて変化してゆく
時の力。それは庭の空気だけでなく、拘りや頑なな心までも、和らげてくれる