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2005年10月21日〜24日、妻子とディズニーランドに行ってきました。田舎者家族の恥ずかしくも楽しかった3泊4日の珍道中を、ちょっとだけ紹介します。
結婚式は大騒ぎ
明日は埼玉に居る妻のいとこの結婚式。
家族で遠出する機会はなかなかないので、妻子4人で出席することにした。
ゆっくり汽車の旅を楽しみたいところだが、仕事の都合や荷物の関係で車で出かけることにした。
埼玉には毎年4トン車で仕入れに出かけている。
そう言えば、新婚旅行も4トン車で、埼玉への仕入れだった。
乗用車で出かけるのは出稼ぎの時以来か。
走行距離は約800キロ。朝出発すると夕方には着ける。
が、今日は明日から開催される隣町の産業祭の出店準備があるので、それが終ってから出かけることになる。
キリのいいところまでやり、弟子達に今後の段取りを説明、途中で抜ける。
この時点で11時半。これから来週仕事するお客さんの所に挨拶に行かなければならない。
雨の予報なのでビロビロになった車のワイパーの交換もある。
なんだかんだと忙しがっていると、財布と免許証を忘れてきたことに気付いて、また会場に逆戻り。
1時間のロスは痛いが、出発前に気付いて良かったと思うことにして、今日中に着けばいいやと頭を切り替える。
家に帰り、急いで荷物を積み込み、婆様に挨拶してようやく出発、お客さんの所へ行って来週の仕事の段取り。
すぐ近くにある某カー用品の店に寄り、ワイパーのゴムを交換する。
若い女の子の店員さんに話すと取付までやってくれた。車関係は苦手なので有り難い。
1時半。ようやくこれで本当に出発だ。
仙台は5時前に通過。ちょうどここが中間地点。
高速の秋田道が能代まで開通したおかげで、これまで5時間掛かっていたのが4時間で来れた。
このまま行くと10時前には着けるかもしれない。
暗くなると眠くなる習性があるので、明るいうちに行ける所まで行きたい。
どこまで行けるか、今日中に着ける自信がなかったので泊まる先は決めていない。
たしか岩槻のインターの辺りにモーテルがたくさんあったから、その辺に泊まれたらいいと思っていた。
目標だった宇都宮を8時に通過。まだまだ行けそうだ。今日は調子がいいと思った矢先、妻が忘れ物をしたことに気付く。
「大変!結婚式で着る服、忘れたみたい!!」
!?・・・
そう言えば、積んだ覚えがなかった。
もう戻れないし、送ってもらうにも間に合わない。
式場に電話して貸衣装の問合せをすることにしたが、結婚式場のみの施設なようで誰も出ない。
明朝確認することにしたが、11時の式に間に合うのか、貫禄たっぷりの二人に合う服があるのか心配だ。
なんだかんだ言ってるうちに10時前に岩槻に着いた。
さて、どこに泊まるか。
20軒近くはあるホテル街を一通り周り、壁から水が出ていてライトアップされた奇麗なホテルに入る。
門を入ると人がいて、駐車場まで誘導される。こんなホテルは初めて。
部屋を選ぶ段になって驚いた。一泊16000円!予算は10000円以下。次を探す。
ようやく手ごろな所を見つけて、子供を抱いてエレベーターに乗ろうとすると、「お客様、お子様連れはご遠慮いただいております。」
なしてや?秋田や岩手でそんなごと言われことないのに。
良く考えると秋田や岩手ではみな、離れ式の建物ばかりだった。都会は場所の関係でそんな建物が少ない。
近くには、仕入れの時に良く利用する24時間の温泉施設もあるが、ここも子連れではムリがある。
仕方なく離れ式のところを探し、ようやく辿りついたらもう12時。もうクタクタ。本当にクタクタ。
子供達は疲れて寝てしまった。
風呂に入って、サービスエリアで買った吉野家の豚丼を食べながら妻と乾杯。
なんだかんだとせわしない1日が終わった。
明日は衣装を何とかしなければならないが、とりあえず無事着けたことと寝ぐらを確保できたこと、子供達の服は忘れなかったことで良しとしよう。
・・・続く
なんとか結婚式
朝7時起床。
ベッドが狭いので、子供達が落ちないようにと妻と両端に寝ていたら、体に変な力が入っていたのか、なんだか寝た気がしない。
昨日寝てしまった子供達を風呂に入れ、皆で昨夜買い置きしておいたおにぎりを食べる。
8時、式場に連絡するが、まだ開いていない。朝から焦る。
多分、会場まで1時間は掛かるから、もう出ないといけない。途中からまた電話することにした。
9時、ようやく連絡取れるも、会場では貸衣装はやっていないと言う。近くの貸衣装屋さんを紹介してもらうことにして、その店に向かう。
一番安いので、男物8000円。女物15000円。サイズが合うかどうかは着て見なければわからない。
ワイシャツは用意して欲しいとのことで、行く途中見つけた洋服屋に寄るが、まだ10時前なので、のんびりと掃除をしている。
10時10分前、サティを見つけ、子供達を抱えてワイシャツを探す。
妻と二手に分かれ、安くて着れる物があれば買うように勧める。
あわよくば自分もサイズがあれば買いたいと思ったが、そんなに一般的な体型ではなく断念。Yシャツだけ買う。
妻はちょうどいいのを見つけていた。
この時点でもう10時50分。式にはもう間に合わない。電話して披露宴から出ることを伝える。
間に合わないとわかったら、急に気が楽になった。
貸衣装屋に向かう途中、紳士服の〇ナカを見つけ、試しに入ってみる。
借りるだけの服にお金を払い、また返しに行かなければならないことを考えると、礼服は持っていなかったし、今後のためにも買っておいたほうが良いと思うようになってきていた。
礼服18000円。このぐらいなら何とかなるかも。
店員さんに聞くと、「お客様のようなガッチリ体型の方は、倍の値段になるかと。」
ただでも首や腕、股が人並み以上に太いのに、最近は年相応におなかも中年体型になってきている。
自分のスマートな体型をうらやむ。
事情を話して、時間も予算もないことを伝えると、3分の2の値段にしてくれた。
すそ直しもネーム入れもすぐ出来るとのこと。待ち時間で更衣室を借り、妻の着替えもさせてもらった。
さすが〇ナカ。カードを作っておいて良かった。
貸衣装屋に丁重に断りを入れ、会場に急ぐ。
ようやく会場に辿りつくと、そこはコニファーに囲まれたメルヘンチックな建物。
急いで敷地内の教会に入ると、なんとかライススシャワーには間に合った。
妻は、親族には衣装を汚したことにしていた。
衣装を忘れたら、何のために秋田くんだりから埼玉まで来たのかわからない。
このHPの日記は、多分、親類の人は誰も見ていない。見ていたらここで謝ります。ごめんなさい(笑)。
披露宴の会場前にはウェルカムドリンクが用意されていて、楽しく開会を待てるようになっていた。
今夜の宿泊場所までは、酒を飲まない妻のいとこが運転してくれるとのこと、心置きなく飲んでもよいことになった。
開会前だが、1杯目のビールの効くこと。
昼間からおおっぴらに酒を飲めるのは嬉しい。はるばる秋田から来た甲斐があったというものだ。
見回すと、所々にウエディング姿の新郎新婦のポスターが張ってあり、感謝の気持ちを込めたメッセージが皆を出迎えてくれる。(このボスターは、仕事で来れなかった親族にも見せたいと義母が所望、閉会後青森へと向かう)。
料理はフランス料理!?のフルコース、ウェディングケーキは、最後にデザートで出てきて皆で食べれた。
テーブルの中央にはビー玉の入ったグラスがある。
ただの飾りかと思っていたら、キャンドルサービスの時、二人が何かの液体を注ぐと闇の中で青白く光った。
会場から「おー!」の声が上がる。なかなかの演出。
若い二人でいろいろと考えたのだろう。いろんな趣向が凝らされていて、本人達も参列者も楽しい会だった。
結婚式はその日が来るまでが大変だ。
自分達の望む形と親の意向、親戚の意見、いろんな付き合いなどが絡むともう嫌になってくる。
たった一度の会だから、会場任せではなく自分たちの色も出したい。
休みの度に進行と段取りの打ち合わせ。度重なる修正、変更。挨拶の練習もしなくてはならない。
自分達の思い出づくりのことばかり考えがちだが、一番大切なのはお祝いに来てくれた方々に楽しんでもらうこと。
実はそれが一番大変だったりするのだが、そんな大変さを経験して、二人が今日の日を向かえたかと思うと、「おめでとう!」より先に「お疲れ様」、「楽しませてくれてありがとう」と言いたくなってくる。
うちの家族も、想定外の大変さを乗り越えてここまでやってきた(笑)。
今日は、ここにある酒全て飲み干したい気分だ。
生まれた時のこと、出会った時のこと、本人や参加者にもいろんな思いが交錯する。
帰り際、新婦の友人代表で、この日一番印象に残った女性と偶然隣になる。
宴もたけなわ、酒宴が盛り上がる中、ざわつく館内をものともせず、張りのある声で紙も見ないで挨拶、皆の視線を釘付けにした人だ。
女性の友人代表で、こんなにも堂々とした挨拶は聞いたことがない。
男でもよっぽど面白くない限り、あのざわつきには勝てない。それだけで感動した。
夫婦円満の秘訣は「冷蔵庫に旦那の子供の頃の無邪気な写真を張っておくこと。」と言っていた。
「あなたの挨拶に一番感動しました。早速実行しようと思います。」と話すと「これは効果ありますよ。」
妻には「私は脱臭剤か!」と言われそうだが・・・。
不覚にも式には遅れたが、とても素敵な披露宴だった。本当におめでとう。
宿泊先は、温泉施設を併設したホテル。いろんなお風呂がいっぱいで楽しめた。
ベッドはダブルなので、結局昨日と同じように寝る。
今日もなんだかんだとバタバタしたが、何とか1日終わったな。
明日は長女念願のデズニ‐ランド。5時起床の予定。なんだかもう一波乱ありそうな気がするなあ。
・・・三日目に続く
ディズニーへの道
朝5時、アラームの音で目が覚める。
今日はディズニーランドに行く日。本当のことを言うとあまり目覚めたくなかった。
昨日、義弟夫婦から「着くまでも着いてからもハンパじゃなく混むぞ!」とか「迷子になったら最後、外国に売られるぞ!」と脅かされていた。
そんな恐ろしい疲れる所に早起きして出掛けなくちゃ行けないのか。
子供の寝顔に目をやる。妻が保育園の連絡帳に「結婚式のため四日間埼玉に行ってきます。」と書くと、先生から「ディズニーランド楽しんできてください。」と返事が書かれていたという。
長女は、よほど嬉しかったのか、保育園に行っても話していたようだ。
これまで、遠出といえば妻の実家(青森県)や秋田市などの現場だったので無理はない。
そんなわけで、昨夜は寝る直前まで、すぐ近くにあるという水族館の誘惑に負けてしまいたいと思っていたが、この寝顔を見ているとそんなわけにもいかない。
やっぱり行くかぁ。
行くと決めたら早く行きたい。7時には首都高に乗っていたい。
これから子供を起こして服を着せて、トイレに行かせて顔を洗わせて歯を磨かせて、着替とオシメとカメラと、朝飯はコンビニで買って…。
ところで、ディズニーランドどうやって行ったらいいんだろ?
全く土地感がないので、式場からホテルまでどうやって来たのかもわからない。どう行けば高速に乗れるかもわからない。
あまり乗り気じゃなかったので、事前の下調べも全然していなかった。
私は道を気にしていたが、妻は今日泊まるところを心配していた。
モーテルはたいがい10時からでないと宿泊にならない。本当は今日帰るつもりだったので宿は決めていなかった。
「またあちこち探すんならここに泊まろうよ。」
今居る位置がどの辺なのかもわからないので、ちゃんと戻って来れるかが一番心配だったが、今日も多分疲れ果てることになるはずだから、空いていたらここに泊まろうということになった。
道と宿、子供のことは妻に任せて、フロントで調べることにした。
フロントの人は、まだ若くて説明も要領を得ない。
ちゃんと標準語を話しているつもりだが、自分の言葉が通じていないのか。
地図はホテル周辺のものしかなかった。東京の地図はないという。
しかたない。ぶっつけ本番の出たとこ勝負、7年東京に住んでいた勘を頼りに、とにかく看板を見ながら行ってみることにした。
部屋は、ツインを所望したがダブルしか空いてなかった。今夜もまた、子供が落ちないように両端に寝るのか。
7時、羽生インターから高速に乗る。
ちょっとしか迷わなかったので、予想より早く乗れた。
東北道から首都高に入ると「東京に来た!」と胸が高鳴る。
10年ぐらい前までは「東京に帰る。」という感覚だったが、今ではすっかり田舎者、おのぼりさんだ。
道路情報で、「葛西付近で6キロ渋滞」と出る。渋滞、いよいよでたか。
田舎で渋滞といえば、盆・暮れ、GWか工事中の時ぐらいだから、これも東京!という感じだ。
でも、オートマじゃないので足が疲れる。ナビがついていないので、抜け道もわからないし、自分の位置もわからない。
「右方面銀座、左方面浦安」と出る。カアサン!銀座だって銀座!!
カアサンもその昔は東京でOLをしていたから銀座は知っていた。
「浦安に行くんでしょ!」 銀座方面のほうが道が空いていた。
東京時代も首都高には乗っていたのに、いまだに高速の案内板の見方がよくわからない。
急に「浦安」と標識が出ても、2車線渋滞の中での進路変更は、田舎者にはちょっと勇気が要る。
左から右に移る時は、わざわざ窓を開け、手を上げて入れてもらう。
左に移る時は妻に手を上げてもらう。
これは4トン車で来る時のクセなのだが、わざわざ手を上げるとたいていの人は入れてくれる。秋田ナンバーだから?(笑)。
合流地点で先がない場合などは、窓を開けて手を上げた他に、申し訳なさそうに笑顔で会釈する。これが一番(笑)。
田舎者は、こんなふうに結構礼儀正しく乗っているが、都会人の運転はかなり横暴だと感じる。
当たり前のように割り込んでくる。入れたくないが入れてあげる。人に入れてもらったら入れてあげるのが礼儀だからだ。
新鮮だった渋滞も30分で飽きる。
いらいらしながら右手前方を見ると、なんだか格好いい山が遠くに見えてきた。
もしかして・・・富士山!富士山だ!富士山!!
子供に「あれが日本一の山だよ。」と教える。
「違うよ、お父さん。あれは白神山地だよ。」4歳の子供にとっては山は皆白神山地だった。
もう9時を回った。
まだまだ渋滞は続いている。ここはどこだ。葛西ってまだなのか?
右手に観覧車が見えてきた。ここが葛西か。ここから湾岸道路になるのか。
湾岸道路。なんだかかっこいい響きだ。ここは夜走りたいような気がする。
左手に役所の庁舎が見えてくる。
「お父さん、見て。役場だよ。」 役場。都内にある役場。田舎の子はいい(笑)。
今日は幕張で「東京モーターショー」も開幕らしい。それでこんなに混んでいるのか。
湾岸になると、満を持して車が走り出した。
お城のマークの付いた「ディズニーリゾート」の看板を発見!
ようやく着いたのか!と思いきや、ここからがまた長かった。
お城の看板を20回ぐらい見て、やっと駐車場の入り口に着いた。
案内のお兄さんが笑っている。妻の話だとDLの職員達は、いつも笑っていなければならないそうだ。
そんな笑っている人に5回ぐらい誘導されて、ようやく駐車場に着いた。
もう目的は達成したのではないかというほど既に疲れていた。
時計は10時半を回っていた。
・・・続く
ブタの耳を付けた国
駐車場からは無料のシャトルバスが出ていた。
DLまでは結構離れているらしく駐車場も分散しているようだ。
ここは第5駐車場。「この駐車場の番号を覚えておいて、帰りもこの番号のバスに乗って来てください。」
と、案内の人が教えてくれた。やはり、この人の顔も笑っている。
下の子を抱いてバスに乗ると、小学生ぐらいの親子連れのご夫婦から席を譲られた。
遠慮するが、何度も勧めてくれるので有り難く座らせてもらう。
妻は私の前に立っていたが、途中、こちらの奥さんから「ごめんなさい。気が付かなくて。」と、座っていた自分の子供を立たせて、妻に席を勧めてくれた。
なぜ妻に席を譲るのかわからないが、子供を立たせてまで大人が座るわけにはいかない。
別に親子四人で仲良く座らなくても大丈夫なので遠慮するが、何度も何度も勧めてくれる。
不思議に思いながらも、せっかくなのでお言葉に甘えることにした。
バスから降りて礼を言って別れた後、妻が突然笑いだした。
「もしかしたら、私、妊婦に間違われたのかも!」。
「気が付かなくて。」の意味はこれだったのか。
「若く見られて良かったじゃないか(太ってて得することもあるんだな)」と言ってあげた。
門の前に到着。入場券を買うにも行列。10列で30人ぐらい並んでいるから、ここだけで300人!
入場してベビーカーを借りるにも行列。トイレに行くにも行列。
入ったばかりなのにもうため息が出る。とんでもない所に来てしまったな。
前には何やら人だかりがあるが、そこにはミッキーマウスのぬいぐるみがいた。
「1日いても会えないことがあるのよ。」と妻に写真を急かされるが、そこも行列。
待つ気力はないので、ミッキーの後方に妻子を立たせて、見知らぬ家族と一緒に写真に収まる。
10分後、もう来ないかもしれないからなと思い直し、妻子を連れてミッキ‐のところに行くと、「大変申し訳ありません。今日の撮影は終了しました。」
まだ11時なのに?
この係員の人もやはり笑っていた。
一番最初にあるのはアーケード街。キャラクターグッズの店がいっぱいある。
通りすぎたいが、妻と子供はずんずん店の中に入っていく。
見まわすと、頭にいろんな動物の耳を付けた人が歩いている。
子供も、おじさんも、、おばさんも、お爺さんも、みんな耳を付けている。恥ずかしい。みな異常だ。
外では異常な光景だが、ここは非日常の世界。みなそれが楽しいらしい。
こんなのここでしか付けられないだろうにと思っていると、豚の耳を付けた我が子達が店から出てきた。
やはりこれを付けるのか。「雰囲気、雰囲気!」なんだそうだが、下の子は嫌がっているように見える。自分のが無くて良かった。
アーケードを抜けると広場。
その向こうには奇麗なお城がある。これがシンデレラのお城か! こんなのを見るとDLだなという気になる。
おのぼりさんなので、ここで一枚写真を撮る。
お城を抜けると、どういうわけか、みな道端に敷物を敷いて座っている。ご飯を食べているわけではないが、みな座っている。
妻に聞くと、これからなんとかのパレードがあるという。せっかくなので見ることにする。
沿道では前説のおにいさんが、一生懸命「パンプキン、パンプキン」と叫びながら、観客に踊りを教えている。
パンプキン? これからカボチャが来るのか。そういえば、所々にカボチャをくりぬいた顔がいっぱいあった。
カボチャの祭り、なんだっけ? 思い出せない、カボチャ、冬至、パンプキン、あっ、ハロウイン!
今月はハロウインのパレードなんだそうだ。
向こうからなんだか派手な音楽が聞こえてきた。
実況のおにいさんが絶叫している。いったい何が来るんだ? 来たのは、やっぱりカボチャのオバケたちだった。
カボチャも、こんなにいっぱい居ると壮観だ。
たいしたもんだ。着ぐるみの人達も、人の格好をした人達もみな踊りが上手。
そして、みな同じ顔をしている。
おにいさんが例の「パンプキン、パンプキン」を連呼している。
みなそれに合わせて叫びながら、手を躍らせている。みな興奮している。
コンサートのスタンディングオペレーションのようだ。これはこれで凄い。
子供達は目を丸くしてじっと見入っている。
自分たちは後ろの方にいるので上の子を肩車していたが、頭の上で揺れているのがわかる。
は〜、これがディズニーランドなのか!
カボチャたちが通りすぎた後は拍手の嵐。いやいや来た自分でもかなり見ごたえがあった。
おなかが空いてきた。ディズニーランドはまだ始まったばかりだ。
・・・続く
腹減ったー
まだ、豚の耳を買い、パレードしか見ていないのに、おなかが減ってきた。
フードコーナーを見つけるが、見たくないような行列。
もう少し時間を置いてから来ようと、少し見て回る。
水しぶきが上がるのが見える。見ると、山の洞窟から突然トロッコが出てきて、滝壷に落ちていく。
みな、「あーれー」という感じで両手を上げて落ちていく。
あれは怖そうだが楽しそうだ。でも2時間待ち。待つのは20分が限界。次を探す。
トロッコの下には汽車が走っている。これだったら乗れるかと、近くにいた笑っている人に聞くと「乗り場は反対側になります。」
腹が減ってるのであまり歩きたくない。次。
汽車の下には運河があって船が走っていた。カヌーや筏もいる。
汽船にしよう。これは大人数が乗れるので、あまり待たなくてよさそうだ。
汽船は3階建て。名前をマーク・トエイン号という。
船長がアナウンスで、この船の使命を乗客に伝えてくれる。
出航!やはり動き出すとワクワクする。
突然、乗務員が「船長!右手前方に火事発見!」と言うと、本当に小屋が燃えている(火は赤い布です)。
左にはインディアンの集落。
下では、筏やカヌーの人が手を振っている。
カヌーは疲れそうだ。というより恥ずかしい。前後尾に係の人が付いて思いっきり漕いでくれている。
この係の人は大変だ。係だからと笑っている余裕はない。必死の形相で棒を掻いている(漕ぐ棒の名前を忘れました。櫂?)。
20分ぐらいの旅だがけっこう楽しめた。船長も無事使命を果たしたようだ。
あちこち動いて見たせいか、少し船酔い気味だ。
さきほどのフードコーナーに戻る。
さっきより人がいる気がする。座れそうな場所を探すが、空いている場所はゴミ箱の前だけ。
妻が食べ物を買いに行っている間、子供と三人でそこでふてくされていることにする。
10分おきぐらいにゴミ出しのお姉さんがやってきて、邪魔にされる。このお姉さんもやはり笑っている。
お姉さんはゴミを取り替えながら子供の相手をしてくれるが、子供も腹が減っているので機嫌が悪い。
「もう少しでまたパレードがあるからね。今度はミッキ‐も来るよ。」
子供は、それを聞いてまたワクワクしているが、今はミッキ‐よりおにぎりにワクワクしたい。
30分掛かってようやく妻が戻ってきた。買ってきたのはコーラとピザとプリン。
ただのピザだが、DLの包み紙がつくと,なんとなく違うような気がするらしい。
腹が減ってる時は、そんなことはどうでもいいし、何でも美味しい。
こんなに人がいたら、田舎の祭のヤキソバなんかでもバカ売れするだろう。
本当に凄い人だ。頭が痛くなってきた。何でここにはこんなに人がいるんだ(それはデズニ−‐ランドだからだ)。
そのうちの一人だということを忘れて頭にきている。
あの豚の耳を付けたら頭痛も直るんだろうか(子供用なので入らない)。
まだ食べ終わらないが、前節のおにいさんがまたやってきた。
いよいよミッキ‐のパレードが始まるのか。
おにいさんは例によって、笑いながら沿道の人並みの整理を始める。
ベビーカーを畳むよう言われるが、畳み方がわからない。いろいろしているうちに食べ掛けのプリンを落とし、飲みかけのコーラをこぼす。
せっかく座ろうと思っていた地面はコーラの川。拭く物がない。
液体は正直だ。だんだん低い方へと、前の人の所へと流れていく。足で踏んでようやく止める。
おにいさんの叫ぶ声が聞こえる。「横のリングを上に上げてください。」
こう?
簡単だった。コーラをこぼすのもバカらしいぐらい簡単だった。
自分が畳み終えるのを待つかのように踊りの説明が始まる。
ディズニ−ランドもいよいよ中盤。今度はどんなのが出てくるんだ?
・・・続く
もうすぐ帰れる
いよいよミッキーのパレードが始まる(正式名称はわからない)。
噂によると、TDLのキャラクターが勢揃いするらしいが、ミッキーはやはりオオトリ、結びの一番といったところか。
さっきコーラをこぼしたばかりで少し凹んでいるが、周りの雰囲気につられ、なんだか自分もワクワクしてきている。
音楽が鳴り始める。
実況のおにいさんが絶叫する。観客がざわめく。いよいよ幕内土俵入りが始まる。
・・・中略(一週間経ったのと、かなり興奮して見ていたのでちょっと記憶が途切れていますm(__)m。)・・・
シルバーメタリックにブル‐をあしらった三日月の山車が近いてきた。
観客にどよめきが起こり、歓声に変わる。
三日月の上に居るのはミッキーだ。
名前は知らないが弟や妹も一緒だ。
ミッキ‐は、沿道の観客に見えるようにアッチに行ったりコッチに行ったりと忙しい。
さすが人気者、千両役者は違う。あちこちから声が掛る。
ミッキーの前後にはロビンちゃんのような踊り子さんがいっぱいいる。
みな同じメイクで同じような顔立ちをしている。
多分、みな厳しいオーディションの末に選ばれた同じ顔のおねえさん達だ。
おねえさんもミッキー兄弟もみな手を振っている。
観客も妻も、うちの姉妹も手を振っている。
みなに見送られて、ミッキーが通りすぎていく。
ありがとう、ミッキー。またいつか会おう。
音楽はまだ続いている。これで終りではないのか。
三日月ミッキーの後にはコーヒーカップが続いている。不思議の国からきたコーヒーカップ。
水色の服を着た髪の長い,秘密のアッコちゃんのような金髪の少女が乗っている。
斜めに傾いたカップの縁に腰かけて、上手にバランスを取りながら手を振っている。
アリスの次はピーターパン。
ピーターパンとくれば榊原郁恵だが,この人は外人さんの男。
アリスといい、ピーターパンといい、外人さんは男も女もお人形さんのように可愛い(カッコイイ)。
厳しいオーディションをくりぬけて外人さんのメークをしている踊り子さん達が可愛そうに見えるぐらいカッコイイ。
音楽が盛りあがり,おにいさんの絶叫もMAX。
どうやら、このピーターパンがパレードの横綱らしい。
ものすごい盛りあがり。歌はTDLの連呼。
パレ‐ドが一つのショ‐として完成している。凄い。素晴らしい。さすがTDL。さすがアメリカ。
田舎者親子は,何も乗れなくても、これが見れただけでも十分満足だ。
時計は午後三時を回った。
帰るのにはちょうど良い時刻だが、妻子の目はまだギラギラと輝いていた(まだ足りないのか〜)。
・・・続く(まだ続くのか)
やっと帰れる!
入り口までの帰り道、妻が「海賊ナントカに乗りたい」と騒ぎ出すが、30分待ち。
未練を残す妻に言葉を掛ける。
また今度にしようよ。5時まで(閉演まで)いたらまた渋滞に会うから、もうお土産買って帰ろうよ。
「ここは夜10時までやってるのよ。」と言いながらも、やむなく諦めた妻の今度の標的は、カレー味のポップコーン。
50人の行列。無言で諦める妻。
さらに下ると、今度はココナツ味のポップコーン。
30人の行列。コレだけは食べたい!と言い張る妻。
その向かいにツリーハウスを見つけたので、妻を待つ間、上の子と登ってみることにした。
最初からここに来れば良かったと思うほど全然混んでいない。乗り物じゃないから(笑)。
このツリーハウスには物語がある。
難破して無人島に辿りついた船長が、壊れた船の部材を使って、木の上に部屋を作ったのだという。
一番上は見晴台になっていたが、そこに行くまでにいくつか部屋がある。
なんだかこんな部屋で暮らしてみたいなあという気を起こさせる。
小学生のころ、裏山の赤松の木に藁を敷いて寝転んだことがあるが、あれもなにかの冒険物語の影響だった。
幹はコンクリートのようだが、足し目や金具、配線なども上手に隠してあるので、どうやってう組み立てたのだろうと思うほど精巧に出来ている。
擬似のものでも、ここまで精巧で規模が大きいと凄いな!と素直に思った。
建物を作るよりよっぽど難しい気がする。
そんなことを考えていると、あっという間にゴールに着いた。
所要時間は5分といったところか。
さて、妻は買えたかなと思うまもなく、子供はまたツリーハウスの入り口へと走っていった。
「面白い?」と聞くと「うん!」と答える子供。
ただ乗り物に乗っているよりも、子供のためにはよっぽど良いなと思っていたが、子供は結局、5回続けてこの木に登った。
4回目の後、念願のポップコーンを抱えた妻と出会い、バトンタッチ。
さすがに5回連続で上り下りをするのはキツイ。
子供は本当に元気だ。
さて、ようやくこれで帰れそうだ。
西日が強くなってきた。妻は、子供に豚の耳は買ったが、肝心の帽子を車に忘れてきていた。
下の子はベビーカーに飽きたのか騒ぎ出す。
子供を抱いて、自分のキャップを下の子にかぶせる。
この子はなぜか帽子をかぶるのを嫌がるが、土産物屋の前まで来て、子供がキャップをかぶっていないことに気付く。
妻と交代で、いま来た道を戻るが、時既に遅し、もう見つからなかった。(お気に入りのキャップだったのに。ようやく自分の頭にフィットする帽子とめぐり合えたのに。)
妻は、お気に入りの帽子を無くした自分がカリカリしているのを察知したのか、「大急ぎでお土産買ってくるね!」と、子供二人を自分に任せて店の中へと消えていった。
待つこと30分。
そろそろ(かなり)イライラも限界に来ている。
朝の11時から今まで(4時)までずっと立ちっぱなし。妻の元気さにも腹が立ってきていた。
たまらず店の中に探しに行くが、下の子が乗ったベビーカーを押しながら風船を持った上の子と手を繋いで前進するのは、非常に難しい。
人の波の間に挟まれて全然身動きできない。
やっとの思いで妻の姿を見つけると、妻はまだレジの行列の中にいた。
ようやく門まで辿りつく。
もう思い残すことは無い。さようならTDL。ありがとうTDL。
もうすぐ日が暮れる。
これから運転するのはシンドイが、今日の宿が決まっているのは心強い。安心して帰れる。
さあ、バス乗り場に急ごう。
と横を見ると、妻は・・・また売店を見つけて走っていった。
・・・おわり
(皆さん、1週間のご精読ありがとうございました。これでズッコケ家族の珍道中、おしまいです(^ ^) 。