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「たろっぺ」

子供と風呂に入る。
窓を開け、外から雪をすくって小さな雪ダルマを作った。
自分が子供の頃も、こうして遊んだ。
こんな遊びがあると、風呂に入りたがらない子供も喜んで入る。
屋根から下がった「たろっぺ」も取った。
この透明な棒、お湯に入れるとシューッと解けていく。
それが面白くて、何度も窓を開ける羽目になる。
寒いなぁ(笑)。

「たろっぺ」とは、秋田弁で「つらら」のこと。
今の若い子達は多分知らないだろう。
妻は津軽の育ちだが、ツララはツララらしい。
「たろっぺ」、なんとなく郷愁を感じる、好きな言葉だ。

小学校の頃、「たろっぺ」という詩集があった。
全町単位だったか校内単位だったか忘れたが、いづれにしても秀作しか載らな傑作選だ。
ちなみに、長文派の私は載ったことが無い(笑)。
友達の詩が載ったことがあった。
確か、その年の優秀作だと思った。
タイトルは「ベゴのケッチ」。
ベゴは牛、ケッチはケツでお尻。「牛のお尻」という詩だ(笑)。

「ベゴのケッチ」
ベゴのケッチが僕を見ている。
ケッチにはシッポが付いている。
振り子のように動くシッポ。
ベゴはシッポで僕に挨拶している。
僕もケッチに手を振る。
僕とベゴは友達だ。

こんな感じだったと思う。
たろっぺ、ベゴ、秋田弁て、いいなぁ。

 


 

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