ランチミーティング事前資料

能代市役所広報広聴係 様

緑の景観を考える会(庭の会)

〔当会の説明〕

「緑の景観を考える会」は、別名を「庭の会」とも言い,能代市山本郡内に居住する庭や自然が大好きな若者の勉強会です。作庭者としての自分を育ててくれる庭、人、自然、街への「恩返し」を基本理念に、庭や自然、街の緑の本質を考え、技術交流や勉強会を重ねています。庭の素材は自然の山や川から産出したもので、自然の恩恵無しには出来ない仕事です。庭づくりは自然破壊と隣り合わせであるという観点から、毎年白神山地への植樹等にも参加しています。

〔事前提出資料〕

  1. 街路樹は泣いているAー秋田からのお便りー植木屋の良心と誇り」(建築資料研究社「庭」164号)

  2. 街路樹は泣いているFー秋田の大地に一人立つー私の街路樹奮闘記」(建築資料研究社「庭」174号)

  3. 街路樹(イチョウ)の透かし剪定 (福岡造園HP)

  4. 街路樹剪定報告書(2007年2月 二ツ井地域局建設課提出 福岡造園)

  5. 「残したい場所」(2007年2月14日 北羽新報)

  6. 支柱の効用と害」 (福岡造園HP)

  7. 「庭の会活動報告」
    ※ 1と2の本は、市立図書館でも閲覧可能です。1〜6の資料は、全て福岡造園のHPで閲覧可能です。

〔質問事項〕

  1. 現在の能代市内のブツ切りされた街路樹を見てどう思われますか。
    合併前、旧能代市の担当課に市内の街路樹の剪定方針を聞き、改善策をお話したところ、「美醜は個人の感覚的なもの。君の意見は正しいと思うが、世間で認める権威がそれを証明してくれないと市は動けない。」とのことでした。
    市長さんの目にはどう映っておりますか。

  2. 公園や街路樹、高速道路の植樹帯等、植えた木より支柱のほうが目立ち、無駄な支柱が木を傷つけている姿をいたるところで見かけます。これは、町、市、国に限らず全国的なものですが、公共工事では、なぜこのようなことが延々と行われるのでしょうか。

  3. 先月、再度本庁の担当課にお聞きしたところ、市の街路樹は「剪定」ではなく「枝打ち」とのことです。このことは、「水と緑の環境の街」のスローガンに即していると思われますか。
    また、この「枝打ち」は「市民の生活と景観を考慮した上で折り合いをつけたもの」なのだそうです。現実の剪定では、支障にならないような小さな木まで一様にブツブツと切られていたり、市民の中には落葉掃除など、街路樹との共生を楽しまれている方もおります。この相違をどう思われますか。

  4. 役所の工事に参入するための審査資格には、造園施工管理技士と造園技能士があります。これらの国家資格には、支柱の掛け方や剪定の実技試験がないのをご存知ですか。造園技術者は、木本来の樹形を生かす「透かし剪定」が出来なければ「植木屋」とはいえません。現在、市発注の剪定をされている方々は、植木屋として当たり前の剪定技術をお持ちでしょうか。
    担当課によると、適正な資格を持つ業者に発注されているそうですが、これまで業者の技術力を審査(直接仕事を見る)したことはあるでしょうか。
    また、この街路樹の惨状を見て、その必要性を感じられませんか。

  5. 事前資料の「街路樹剪定報告書」は、このほど行われた二ツ井町の市日通りのイチョウの剪定状況の様子を、現状と対策、剪定方針等、写真解説を付けて作成、担当課に提出させていただいたものです。提出義務のあるものではありません。何のためにどんな剪定をしたのかがわからないと、また同じことの繰り返しになります。提案書の意味も含めた報告書ですが、今後の旧能代市内の樹木管理や植栽計画にも活かしていただくことはできないでしょうか。

  6. 全国の自治体では、業者を集めて街路樹や公園樹の剪定講習会を行い、街の基本の型を決めているところもあります。現実の工事でも毎日のように担当者が厳しくチェックするそうです。先日行われた日吉町周辺の街路樹には剪定された枝が木に引っかかったままでした。現場の監督者、市の担当者は仕事の確認や点検をきちんとされているでしょうか。
    また、このような講習会を開催する予定はないでしょうか。

  7. 京都市などでは、街路樹1本に付き数人の市民が里親になって、掃除や水遣り、除草などの管理が行われているそうです。街路樹の苦情の大半は落ち葉だそうですが、一昨年、街路樹等の落葉を堆肥化する計画が北羽新報に掲載されていました。その後どうなりましたでしょうか。
    また、現実的に街路樹の剪定は落葉の苦情による受身的な剪定のようです。市は、景観や街路樹の効用効果を市民に伝えることをされているでしょうか。
    市の担当職員に、街路樹の効用効果を理解されている方はおられるでしょうか。現在の街路樹は邪魔者扱いのような感がありますが、一度、市民の皆さんとその必要性について話し合う場を持たれてはいかがでしょうか。

  8. 他県では、市の造園専門の職員が、県の仕事である街路樹の剪定の指導もされるそうです。昨年、二ツ井町内のケヤキ並木が、これまでの町の仕事から県の仕事に変わり、剪定の時期ではない夏季に強剪定が行われたため、新芽が柳状に伸び、緑陰の必要な真夏に木陰が作れないという本末転倒な事態が起こっていました。剪定は全ての樹木に行われたのではなく、住宅のある所だけが重点的に行われたようです。このやり方は、街路樹を景観として考えているとは思えません。
    街路樹を植える目的、効用効果や本質を真剣に考え、課を超え、自治体を超えた話し合いの場を持つことは出来ないでしょうか。

  9. 街並の景観や樹木と人との共生には市民の理解が不可欠です。このままでは、市内に木の姿をした街路樹は無くなります。ブツ切りを見慣れた旧能代市民の方に意識を持ってもらうためにも、業者有志の奉仕で、市内の街路樹に自然樹形を活かした美しい剪定をさせていただくことはできないでしょうか。自分の住む「ふるさと」のために、自分の技術で貢献したいという志ある業者はいるはずです。ただ機械的にゴミを作るだけの仕事には技も志もありません。次代を担う若い技術者を育てるためにも、そんな機会をいただくことは出来ないでしょうか。

  10. 市の許可が得られるなら、二ツ井町の銀杏並木の観察をし、月ごとの枝の伸張や、ブツ切りと透かしの木の生長の違いを記録させていただけないかと思います。また、沿道の住民の中には、歩行する子供たちの支障にならないようにと、自発的に枝を切っていただいた方もおります。専門知識を持つ市民として、そんなことも、奉仕の一環としてやらせてもらえないものかと思います。

以上