手直し前の庭
2008年 二ツ井町
20年以上前につくらせていただいた庭の手直しです。
茶事のお稽古に使えるようにと蹲踞を組んだ庭ですが、奥行が無い所に低く据えていたことから、役石を高さのある物に変え、水鉢も台石に乗せて高さを出すなど、座敷からも見えるようにしました。
水鉢は京都・竜安寺にある「知足」の水鉢の写しですが、作庭当時は水鉢の扱いも竜安寺を参考にしていたところ、年を取るにつれ、条件の違う所では場所に合わせた扱いをするべきではないかということに気付き、手入れの際に手直しをお願いしたという経緯があります。
庭は、ご家族の成長と共に変わるものですが、20年経って変わったのはつくり手の意識でした。作庭者のわがままをお許しいただいたお施主さんには本当に感謝です。
・飛石、延段ー米代川水系の川石
・灯ろうー寸松庵
・植裁ークロマツ、ノムラモミジ、ギボシ、タマリュウ他
役石を高さのある物に変え、水鉢を台石式に。
わずかな奥行の庭でも、庭のポイントが見えるようになった
本歌をそのまま真似るのではなく、その場に合わせた扱いをしてあげることが大切。
◆
ブログ・紅の葉の縁側より