石積と碾臼のある庭

 

石積と碾臼のある庭

2007年11月作庭  山本郡藤里町

 

以前住まわれていたお宅から石と植木を運び込み、居間の前の10坪ほどの敷地に庭をつくりました。
ご依頼は植木を運んで植えてほしいというものでしたが、下見の際、石を寄せなければ植木を掘れなかったこともあり、せっかくだから寄せるついでにその石も使いましょう!ということで、庭の骨格作りに使うことをお勧めしました。

 

既存の盛土の部分を2mほどセットバックさせ、石積を設けた

 

ここは、軒から3mぐらいまでは屋根からの落雪を受けます。落雪を受ける場所には植栽できませんので、既存の盛土の部分を2mほどセットバックさせ、石積を設けました。冬期は、ちょうどこの石積の前に雪が溜まる計算です。

 

玄関の横に面した庭

 

庭は玄関の横に面しています。既存の石には飛石に使えるものもありましたので、ここから庭を回遊できるようにしました。飛石より石張りの園路の方が景色に面白さは出るのですが、すぐ後ろに石積があるので、同じように小石が連続する石張りにすると、くどく感じます。庭に動きと軽快感を出すためにも、ここは飛石にしました。

 

碾臼を飛石に

 

蔵の中に、昔の碾臼を3組見つけました。せっかくなので、これも飛石として利用します。石臼の丸い形と溝の模様が伝いを面白くし、リズミカルな雰囲気を高めてくれます。

 

6個の碾臼が織り成す景

 

6個の碾臼が織り成す景。一番厚い碾き臼は、台石に載せてバードバスにしました。飛石は石積の中を階段状に登り、あられこぼしへと繋がります。

 

点景として据えた碾臼

 

点景として据えた碾臼です。水を張ればバードバス、木の実を入れれば小鳥の餌場になります。背面囲いの石は、碾き臼の円形を囲むように、えぐれた面を内側にして据え、奥深く見えるようにしました。

 

全景

 

全景です。狭い庭に仕立て木を植えると庭が硬く、狭苦しく見えます。植栽は、既存の植木の中から山ツツジやナツハゼ、コマユミ、シャクナゲなどの自然樹形の山物を選んで植えました。

 

地際の処理

 

地際の処理です。狭い場所に曲線を入れると庭に動きが出てきます。雨落ちの縁は真っ直ぐにせずに、碾臼の飛石に合わせて出入りをつけてみました。飛石周りは、現場発生の黄土を叩き締めたものです。川砂利、黄土、石積、苔、黒土、様々な色合いを楽しめます。

 

 

 

→作庭集

 

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