こちらの庭は、茶庭作庭例「苔と砂利の地模様の露地」のお宅です。
ここは県下でも有数の豪雪地帯。今回は雪害などで傷んだ庭の補修を行いました。
四つ目垣の取り替え
雪で一番折れやすいのが胴縁(横竹)。雪害対策として、前回より太めの竹を使って作り替えます。
朽ちた四つ目垣
更新された四つ目垣
蹲踞周辺の補修
補修前
補修後
傷んだ苔も増えた所から移植し、裏庭に芽を出したアオキとシダを添えました。
地模様を活かす
「地模様」をさらに活かす為、傷んだ苔を張り替え、飛石周りの苔の部分も増やしました。
踏圧や雪圧で下がった砂利を補充。砂利は川石の飛石や延段に合わせて川砂利を使用しています。苔や延段が映えてきました。
庭の構造物などは、除雪の状況や屋根からの落雪を考えて配置していますが、大雪の年などは自然の雪圧でもかなり傷みます。あまり頑丈につくると庭の雰囲気が硬くなることもあり、そうしたバランスを考えながら、適度な更新や補修を行っていきます。庭の中では、風化や朽ちていく過程も美。そんな美しさを楽しみながら、時々雰囲気をあらためて気分を変える。これも、庭の楽しみ方の一つですね。